サイレンが鳴り、私たちの学校じゃない校歌が球場に流れていた。

相手は人数不足で今までずっと欠場していた学校だったからデータは何もなかった。
勝てば市内１の有名強豪私立。目の前の相手よりも、ずっと先を考えていたのかもしれない。

結果は１―０だった。

保護者の方や仲間やＯＢ‥たくさんの方に励まされてから、スタンドの片付けをして、控え室にいった。

だが控え室では３年生と監督で集まっていたので、１年生と２年生は外にいた。

きっとみんな泣いていた。声だして泣いてる人もいた。悔しかった。勝ちたかった。

私は初めてあのとき部員の泣いてる姿をみた。帽子を深くかぶってたけど肩が震えていた。自分のせいだ、と責める部員もいた。


あれから４ヶ月‥

私たちは自分たちの代になった。もう悔しい思いはしないと誓った。

あと残されたチャンスはたった１回。泣いても笑ってもあと１回。

ただがむしゃらに頑張るだけ。

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