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泣ける話

2010/09/15 (Wed)
ある日おじいちゃんが病院に入院することになった。
体に限界がきたらしい。
私とお兄ちゃんと家族全員でお見舞い行った。
病院に着くとベッドで力無く横たわっているおじいちゃんがいた。
なぜかとても悲しかった。
そういえばおじいちゃんは足をさすってもらうのが好きだったはずだと思い、そっとおじ
いちゃんの足元に近づいた。
しかし私よりも早くお兄ちゃんはおじいちゃんに近づいて足元にあった布団を退かした。
おじいちゃんは緑色の靴下を履いていた。モリゾーみたいな色だった。
お兄ちゃんはおじいちゃんの足を優しくさすってあげていた。私も同じようにさすってあ
げた。
おじいちゃんはどこか嬉しそうな表情をしていた。
それからずっとおじいちゃんに話かけながらも足をさすっていた。
しかし私は途中で手が痛くなり止めた。けどお兄ちゃんはさするのを止めなかった。お兄
ちゃんも私と同じで手が痛いはずなのに、それからもずっとおじいちゃんの足を優しくさ
すってあげていた。
でもそんなお兄ちゃんの顔は悲しそうだった。

それから三日後おじいちゃんは居なくなった。
家に居たのは冷たくなったおじいちゃんだった。
私はおじいちゃんに触って今まであったおじいちゃんの体温無くなってるのを知り、酷く
悲しくなって泣いた。
改めておじいちゃんが居なくなったことを知った。
悲しみが押さえきらずお母さんの膝の上でで泣き続けた。
そしてふと前を見るとお兄ちゃんがおじいちゃんの前に座っていた。後ろ姿だったけどお
兄ちゃんは泣いているように見えた。普段めったに泣かないお兄ちゃんが泣いていた。

お兄ちゃんはおじいちゃんが大好きなんだよね。
私もおじいちゃんが大好きだよ。
みんなおじいちゃんが大好きだよ。

お別れするのは悲しいけど、おじいちゃんが幸せそうな顔で笑うから。私も笑って返す
よ。

『ありがとう、大好きだよ』

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