泣ける話。感動する話。号泣集。 忍者ブログ

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2024/04/28 (Sun)
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泣ける話

2013/02/09 (Sat)
私には、お母さんが二人いた。
一人は、私に生きるチャンスを与えてくれた。
もう一人は……
 
私の17歳の誕生日に母が継母であったことを聞かされた。
私を生んでくれたお母さんは、産後すぐに亡くなったそうだ。
生みの親より育ての親…なんていうが、そのときの私は今まで騙されてきたという怒りと、馴れ親しんだ母が急に他人に思え、両親の話もきかず部屋でふてくされて泣いていた。
 
翌日から母を「おばさん」と呼ぶようになった。
そう呼ぶと母はたまらなく悲しそうな顔をした。
その後、なにかと私に気をつかいだし、必死になる母をよけいに煩わしく感じ、口もきかなくなってしまった。
なんとなく家に居ずらくなったので、夜は出かけるようになった。
 
それから一ヶ月がたとうとする頃、シカトし続ける私に母が「部屋で読んでね」と手紙を差し出してきた。
が、私はその場でぐしゃぐしゃに丸め、ゴミ箱に捨ててしまった。
それを見ていた父が私をはり倒し、震える声で「母さんはなあ…」と言ったが、私はろくすっぽ聞かずに泣きながら自分の部屋に逃げた。
 
・・・翌日、母は帰らぬ人となった。
居眠り運転をしていたトラックが赤信号を無視し、母に突っ込んだそうだ。
即死だった。
 
あまりに急な出来事のため、泣くこともできず、通夜が終わった後も母のそばでぼう然としていた私に、父がボロボロの紙きれを渡し、一言「読め」といった。
昨日の手紙であった。
そこには母らしい温かい字でこう書いてあった。
 
「千夏ちゃんへ
17年間騙していてごめんなさい。お父さんはもっと早くに言おうとしてたんですが、あなたに嫌われるんじゃないかと思い、あんなに遅くなってしまいました。あなたの気持ち、とてもよくわかる。だってお母さん、偽者だったんだもんね…。でもね、お母さん、あなたのことを本当のお母さんに負けないぐらい愛してるんだよ。千夏が成人しても、旦那さんができてもずーっと…」
 
泣きながら書いたのか、字のところどころがにじんでいる。
そして最後に震える字でこうあった。
「…だから、、、また「お母さん」って呼んでね。」
 
私が感じた寂しさを、母は17年も耐えていたのだ。
人の気持ちを考えられなかった私は、一ヶ月もの間、母を苦しめたのだ。
「お母さん…」
一ヶ月ぶりに発したその言葉は、冷たくなった母の耳には届かない。

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泣ける話

2013/02/03 (Sun)
私の婦人科系の出費がかさんでいて、我が家はあまり裕福じゃない。
だから息子には申し訳ないんだけれど、おもちゃなんかはお誕生日とクリスマスの年二回しか買ってあげてないんだ。
息子が6歳の誕生日に「欲しいものは?何でも買ってあげるよ。」って夫婦できいたとき、息子が言ったのは「妹か弟が欲しい」だった。
 
「ボクはこの先一生おもちゃ買って貰えんでええけん、弟妹が欲しい。」
 
ごめんね。
あなたに弟妹をあげられないお母さんでごめんね。
子宮が無くてごめんなさい。ごめんなさい、許してね。
頭が真っ白になってしまって、親の癖に取り乱して息子に縋り付いて泣いて謝ってしまったんだよね、私。
 
息子はビックリして「お母さんを泣かせてごめんなさい。」って泣きだした。
親としてなってないよね、私。息子を傷つけたよね。本当にバカだった。
 
この前の、子供の日。
夫の親・兄弟・親戚、一同が集まった席でいつものように始まった大合唱。
 
「一人っ子はかわいそう」「ロクな大人にならん」
「今からでも第二子は遅くない」「今の医療なら、なんとかなるやろ?」
 
困った顔をして薄笑いを浮かべてテキトーに生返事をしてやり過ごすしか私達夫婦には方法がありませんでした。
うっかり事情が知れたら、もっと傷つけられる。
ああ、仕方無いが、我慢しよう、嵐が過ぎるまで・・・そう思ってた。
 
その時、今年小5の息子が、鋭い口調で言い出した。
 
「ロクな大人の ロク って何さ?」
「嫌そうに聞いてある人間に嫌な言葉を言い続けるのが ロク なんか?」
「ここにいるみんな、おれ以外はみんなキョウダイがいるロクな大人やろうもん」
「ロクな大人の ロク がこういうことなら、おれはロクな大人にならんでよか!」
「ああ、よかったったい。おれはロクな大人になれん一人っ子で」
「ちぃーともかわいそうなこと、なかやっか。一人っ子ばんざい!」
 
一同が静まり返ってきまり悪そうに視線をアチコチに泳がせ始めた時
 
「母さん、おれを産んでくれてありがとう。一人だけでも俺を産んでくれてありがとうな。」
 
照れくさそうに言って、ちまきを2〜3個引っ掴んで、
 
「△△のうちに遊びに行ってくるったい。いってきまーす!」飛び出していったよ。
 
次の週
 
「今日と明日は、おれが家事やるけん。母さんはゆっくりしときー。母の日やけん。お金かからんいい孝行やろもん。おれってあったまいー。」
 
今、息子は昼ごはんにとホットケーキを焼いているようです。
でもね、母の日のプレゼントは先週にもう貰ったと、私は思っているんだ。
えへへ、親馬鹿だけど、いい息子に育ってくれてうれしくて。
誰かに聞いてもらいたかったんだ。

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泣ける話

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