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2019/12/08 (Sun)
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泣ける話

2010/06/11 (Fri)

私が小さな小さな

建築関係のメーカーの

担当営業をしていた頃

私の担当には小さな

個人商店がありました 

先代の社長を亡くし

若くして後を継いだ社長には

二人の男の子がいました

経営は苦しく

競合ひしめく地域で

経験の無さも手伝い

大手にお客さんを

持っていかれ

見てるのも悲惨な状況の中

必死に頑張る社長の

姿がありました

苦しい経営の割りには

支払いは良く

無理も言わず若い私にも

優しくしてくれました

「一緒に成長しような」

といつだって前向きな

社長が私も大好きで

いつもそこにお邪魔しては

商売の話やガンダムの話に

花を咲かせていました

私の会社には

特別な得意先に配る

野球券(東京ドーム)があり

先代の社長が健全で

売り上げが好調だった時には

たまに配ったりも

していたのですが

やはり、担当営業に配分される

年間シート割り当ては

昨今の不況の影響で

大幅に減り、貴重な

営業ツールとなっていました

ある日

「〇〇君……

頼みがあるんだけど」

と私に切り出してきて

「来月隼人の誕生日

なんだけどな……

野球が好きなんだよ

この売り上げじゃ

貰えないと

思うんだけど、頼む!」

と珍しくわがままを

言ってくる社長の

言葉に断りきれず

野球券をあげました

しかし社長はその月

事故で亡くなり

野球券は仏壇に

飾られることになった

棺おけの隣に

楽しみにしていた野球券が

そっと置かれているのを見た時

涙が止まらなかった

数ヶ月後、亡くなった

社長の会社は潰れた

それから8年経った後

私は分不相応にも

営業3課長の任を

受けました

そして二次面接の

面接官をしていた時

懐かしい声が聞こえました

「〇〇大学の〇〇隼人です」

私には彼が誰か

すぐに分かりました

あまりに声があの社長に

そっくりで……

私は彼に一つだけ

質問をしました

「将来の夢はなんですか?」

そしたら面接で

言わなくていいことを堂々と

「独立して会社を

興すことです!

父を超えたいんです!」

私は隣にいた

人事部長に言いました

「僕が預かります……」

彼は今年度

営業戦略拡販商品の

トップセールスに

選ばれる事になりました

これから先、会社を辞めて

独立したいといった時は

もう止める気はない

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