泣ける話。感動する話。号泣集。 忍者ブログ

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2024/11/26 (Tue)
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泣ける話

2010/05/02 (Sun)

もう10年も前の話妻が他界し1年が経った頃
当時8歳の娘と3歳の息子がいた。
妻がいなくなったことをまだ理解できないでいる息子に対して
私はどう接してやればいいのか父親としての不甲斐なさに悩まされていた。
実際私も、妻の面影を追う毎日であった。
寂しさが家中を包み込んでいるようだった。

そんな時私は仕事の都合で家を空けることになり
実家の母にしばらくきてもらうことになった。
出張中何度も自宅へ電話をかけ子どもたちの声を聞いた。
2人を安心させるつもりだったが心安らぐのは私のほうだった気がする。

そんな矢先息子の通っている幼稚園の運動会があった。
〝ママと踊ろう〟だったかそんなタイトルのプログラムがあり
園児と母親が手をつなぎ輪になってお遊戯をするような内容だった。
こんなときにそんなプログラムを組むなんて…。
『まぁ(息子)、行くよ♪』
息子も笑顔で娘の手をとり二人は楽しそうに走っていった。
一瞬、私は訳が分からずに呆然としていた。
隣に座っていた私の母がこう言った。

『あなたがこの間九州に行っていた時に
正樹はいつものように泣いて、お姉ちゃんを困らせていたのね
そしたらお姉ちゃんは正樹に
「ママはもういなくなっちゃったけどお姉ちゃんがいるでしょ。
本当はパパだってとっても寂しいの。
だけどパパは泣いたりしてないでしょ?
それはねパパが男の子だからなんだよ。
まぁも男の子だよねだから大丈夫だよね?
お姉ちゃんがパパとまぁのママになるから」
そう言ってたのよ』

なんということだ…
娘が私の代わりにこの家を守ろうとしている。
場所もわきまえず流れてくる涙を止めることができなかった。
10年経った今無性にあの頃のことを思いだし、また涙が出てくる。

来年から上京する娘。
お父さんは君に何かしてあげられたかい?
君に今どうしても伝えたいことがある。

支えてくれてありがとう。
君は最高のママだったよ。
私にとっても。
正樹にとっても。
ありがとう……。

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泣ける話

2010/04/29 (Thu)

教室に行くと座席表が書いてあった。
私の席は廊下側の前から二番目。
彼は窓側の一番後ろの席。
離れてしまった。
でも同じクラスでホントによかった。

クラスに馴染んできた頃私と彼は一緒に帰った。
一言も話した事がないもちろん帰りも。
全然話さなかった。
その日メールで
『話せなくてゴメン』
ってきた。

私は
『ううん、私もだから』
と返した。

私と彼は帰れる日は一緒に帰った。
少し話せるようになった。
でも私と彼は学校では話さなかった。
それから彼が学校に来る日が少なくなっていった。
誰に聞いても理由はわからなかった。
でも毎日メールをした。
理由を聞いても
『風邪』しか言わなかった。
ある日、彼の友達が私に言った。
『あいつ、ガンで入院してるよ』

私は泣いた。
声を上げて泣いた。
悲しかったからじゃない。
私に本当の事を言ってくれなかったから。
お見舞いに行こうと思ったでも彼は私に会いたくないと言った。
ガンの抗がん剤の副作用で髪の毛が抜け私に見られたくないらしい。
それでも私は毎日メールをした。
時々返ってこなかった。
返ってきても
『死にたい』『辛い』
などしか言わなかった。
私はこの時彼に何もしてあげられなかった。
ただ学校で起きた1日を彼に送り続けた。
そして彼がよくなることを願った。

文化祭の日私は楽しめずにただボーッとしていた。
━━━……
誰かが私を呼ぶ声がした。
後ろを振り返ると車椅子に乗った彼がいた。
私は彼のところへ走った泣きそうになったが
『お前が泣くと俺も泣きそうになるから泣くな!』
と彼が言ってくれた。

学校で話したことのない彼がみんなの前で私に話しかけてくれた。
初めてのことだった。
だけど文化祭の日で彼に会ったのが最後になった。
私は文化祭の日から彼とメールができなくなっていた。
1週間経っても……
2週間経っても……

ある日先生が言った。
『文化祭が終わってから4日後に亡くなった』
初めて知った。
ちょっと具合が悪くなったと私達は聞いていた。
周りの友達は泣いていた。
私は涙が出なかった。
ワケがわからなかった。

家に帰ったら一通の手紙が来ていた。
消印は文化祭の次の日。
母に問い詰めた。
母は言った。
『今日届いたのよ…』
私は手紙を握りしめて自分の部屋へ走った。
ベッドの上に座り手紙を読んだ。

『マミへ
この手紙は文化祭が終わって3週間後に届けられるようにしてあるんだ。
これを読んでる時は俺はもうマミの側にはいないかな……。
マミにはたくさん謝んなきゃいけないことがある。
学校でしゃべれなかったし帰ってるときも話せなかった。
恥ずかしかったんだ。
言い訳だけど……
文化祭の日。
マミに会えて嬉しかった。
かわいくなった?笑
マミは俺に会わなかったほうがよかっただろう。
俺、変わってたべ?
今、俺はすごく怖い。
いつ死ぬかわからない。
でもコレだけは言っておく。
マミ…好きだよ。
俺を忘れていい恋して下さい』

涙が溢れてきた。
そして止まらなくなった。
封筒にはもう一枚紙が入っていた。
そこには
【泣くな】
と書いてあった。

それから数日私は泣いて過ごした。
彼の事が忘れられなかった。

中学3年になった今私は教室に入ると笑顔で
『おはよう』って言う。
彼がいるのを期待して学校へ通っている。
文化祭の日は絶対彼の姿を探す。
後ろを振り返ると彼がぎこちなく笑って顔を赤らめて
『マミ…』
と呼んでくれてる気がする。

今、私は彼が行きたがっていた高校を受験しようと思っています。

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