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泣ける話

2010/03/04 (Thu)

小学生のとき両親が共働きで『鍵っ子』だった俺。
風呂を洗っておいたり玄関を掃除しないといけなかったので友達とはなかなか遊べなかった。
ある日父親が仕事から帰ってきた時にファミコン本体と『ドラクエ3』を買ってきてくれた。
仕事から帰ってきた両親と夕食を食べたあと3人でそれをやるのが俺の最大の楽しみだった。

中学に上がって反抗期を迎えた俺は毎日両親と喧嘩ばかりしていた。
ある日いつものように両親と喧嘩になり小学生の時に買ってもらった
ファミコンと唯一のカセット『ドラクエ3』を投げつけた・

その時は何とも思わなかった…。

中学卒業後俺は高校に行かずペンキ屋に就職することになった。
両親は中学卒業前に既に離婚していた。
俺はどちらにもついて行かず父方の祖母の家に祖母と二人で住むことになった。

現在、祖母の家に住んで7年先日祖母に頼まれて物置の整理をしていた時に、
奥の方にボロボロになった段ボールを見つけたので中を開けてみた。

そこにあったのは粉々になったファミコンとカセットの中身が丸出しの『ドラクエ3』。
不器用に接着剤で修理しようとした痕が見られるが修復できなかったらしい。
俺達家族の絆と一緒だ。
プレステがある時代に『ドラクエ3』かよと思った。
でも『ドラクエ3』がやりたくなり新しいファミコンを買ってきてテレビと繋げ電源を入れてみた。

親が買ってくれたゲーム。
懐かしい…。

勇者の名は俺の名前。
戦士に父親。
僧侶にお袋の名前 。

忘れようとしていたあの頃の思い出が頭を駆け巡り涙が止まらなくなった。
3人のパーティーはイシスという町で止まっていた。
クリアは当時の俺には難しくてできなかったのだ。

父母とはあれから会ってない。
今どこで何をしているかもわからない。

親が買ってくれたゲーム。
そして俺は今『ドラクエ3』をやっている。

なんとしてもクリアしたくなったのだ。

もちろん4人目は入れない。
3人パーティーでだ! 

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