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泣ける話

2012/04/17 (Tue)
息子の学校へ忘れ物を届けに行ったとき、
学校は中休みで、子供達は校庭で遊んでいた。

正面玄関を抜けた所にある花壇で、軽い障害のある子が、
上級生に囲まれて泣いていた。その中のリーダー格の一人が
「やれよ、時間がねえんだよ。やんなきゃ殺すぞ。」と凄んでいた。
頭にヘッドギアをつけた、おそらくは肢体不自由の他に知的障害もあるであろう、
特殊学級の男の子が、しくしく泣いているその姿に勝ち誇るかのように、
そう言い放っていたのは、俺の息子だった。

俺は背後から息子の髪を掴んで地面に叩きつけた。
まさかここにいるわけのない父親の顔を見て、信じられない表情の息子の
胸ぐらを掴んで立たせて、顔面を殴った。
生まれて初めて親父に殴られた恐怖に、顔をこわばらせる息子に、
「時間がねえんなら、てめえがやれや。」と俺は言った。

俺は息子をてめえなんて呼んだことはないし、ましてや殴ったこともなかった。
小さいときから、情操教育に気を使い、人に優しくあれと教えてきた。
小さい子、弱い者を守ることの美徳を教えてきたつもりなのに。
こんな陰湿ないじめをするようなガキに育ったのは、俺の責任だ、
そう思ったら、くやしくて、情けなくて、また息子を殴った。
鼻血を出してうずくまる息子を見下ろして仁王立ちになった俺を、
職員室から飛び出して来た担任が止めた。

もうこの先は書きたくないから書かないが、
帰り道で涙が止まらなかった。
全部俺の責任なんだ、そう思うといたたまれなくなった。
小学校の高学年から高校までいじめられていた俺の、
よりによってその息子が、あんなことをしていたなんて。

拍手[27回]

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泣ける話
泣きました…(T_T)
何度も何度も、読んで。
わたしも、息子に同じ様に
優しくあれと教えてきました。
分かってくれているのか…
でも、良かった。早く気がつけて。息子さんは 父親のあなたに
見付かる事で、助かりました。
乗り越えて、行けるはずです
同じ痛みを分かち合った二人りだから…
ちゃっちー 2012/05/21(Mon)12:47:29 編集

息子さんをブン殴った拳も心も
痛いで済まされない痛さだったのでしょうね・・・。

父のその痛みが
息子さんに伝わっている
と祈りつつ。

そn
みかちん 2012/06/05(Tue)21:48:05 編集

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