当時私が小学生だったころ。
本が大好きで、家にある、自分が読めそうな本を読み漁っていた。
ある日、何気なく母の本棚を漁っていたら、かわいい表紙の日記を見つけた。
どうやら私が小さかったころの成長記録らしい。
母はこういう細かいことが好きで、よく日記とかつけていた。
私は面白半分で日記を開いてみた。
◎年☆月◇日
今日、○○(私の名前)ちゃんが初めて寝返りをうった。
うつぶせになっていたから、一瞬ヒヤっとしたよ。
でも、寝返りがうてるようになったね!
●年△月□日
今日、○○ちゃんが“あいうえお”を読めた。
すごいすごい!偉いネ!
次は“かきくけこ”に挑戦だ!
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日記には、私が赤ちゃんのころからの成長記録が丁寧につけられていた。
内容はほとんど覚えていないけど、一言一言がすごく愛おしかった。
いつの間にか私の視界は涙でぼやけていた。
私は誰にも気づかれずに、静かに泣いた。
その時は、なんでこんな日記を読んで泣いているのかとか、母親の愛情とかがよくわからなかったけど、なんだか胸が熱くなった。
お母さん、私を産んでくれてありがとう。
苦労ばっかりかけてゴメンね。
俺の4才上の兄は障害者
小児マヒで右足が不自由だだから俺が6才になるまで兄は養護施設にいた
俺が幼稚園の年長の時兄は家に戻り普通に学校に通い始めた
運動会の日母と応援に学校へ行った
兄の学年の徒競走が始まったが兄は自分の席に座り参加しなかった
当たり前の話なのだが幼い俺は兄が走らない理由がわからずなぜ走らないか母に聞いた
笑っているだけで答えてくれなかった
翌年兄と同じ小学校に入学した俺はまた運動会の日を迎えた
そしてプログラムは進行し5年生の兄の学年の徒競走が始まった
兄は見学席にはいなかったスタートラインに先生の肩につかまって立っていた
兄はその時期まだ足にギブスをしていたため歩く姿は頼りなかった
スタートの合図で一斉に走り出す5年生
兄はゆっくりとした足取りで歩き出した
いや一生懸命走っていた
俺はそんな兄の姿を見てられなかった
恥ずかしい、やめてくれ
と正直思った
でもその時グランド全体から拍手が起こった
兄の走る姿にみんなが声援を送っている
俺もみんなに合わせて拍手をした
ゴールした瞬間涙が出た
あとで聞いたのだが母が兄になぜ走らなかったのと弟が言っていたと話したと
兄は俺のために走ってくれたのかな
照れ臭くて聞いたことはないがそれは胸の中にしまっておこう
運動会の時期になるといつも思い出す