今日、半年ぶりに家に帰ってきました。
私は末期ガンで手遅れでもう何週間ももたないでしょうと宣告されました。
私は32歳。
妻は28歳。
子どもは二人いて3歳の男の子と0歳の女の子です。
妻の肩を借りて家に入ると上の子が私の手を取り、
『とうちゃんおかえり!
とうちゃんちいさくなったね』
って笑顔で言われました。
『〇〇が大きくなったんだよ』
って言うと、
『じゃあたくさんたべて
とうちゃんもおおきくなって
なつにうみにいこうね!』
って。
妻はそれを聞いて、
『今日は大きくなるご飯にしようね』
って笑顔で答えてました。
ごめんな。
ごめんな。
ごめんな。
ごめんな。
最後まで守ってあげられなくて、
ごめんな…。
いつも明るい長男へ。
一緒にW杯に行けなくてごめんな。
ドイツに連れていけなくてごめんな。
これから毎日サッカー教えてあげるから。
妻であり最愛の人へ。
新婚旅行に連れていけなくてごめんな。
笑顔で子どもと接してくれてありがと。
落ち着いたら新しい出会いを探して幸せになってほしい。
生まれたばかりの長女へ。
パパって呼んでもらえなくて残念だけど、
ママに似て美人で優しい娘に育ってください。
純粋な笑顔のままで。
父と母へ。
あの世に行ったら酒呑みましょう。
それだけが楽しみなのです。
死にたくない。
やり残したこといっぱいです。
助けてください お願いです。
家族を守って下さい。
ある日俺が楽しみにとってあったアイスクリームを
母が弟に食べさせてしまった。
学校から帰り冷蔵庫を開けアイスを探したが見つからなかった 。
母に問い詰めると弟が欲しがったのであげたと言った。
その時楽しみにしていた俺は凄く怒った。
母親に怒鳴り散らかし最後に『死ね!』と叫び夕食も食べずに部屋に籠った。
それから何時間か経った俺は寝てしまっていたようだが、
父親が部屋に飛び込んで来たので目が覚めた。
『母さんが轢かれた…!』
あの時の父親の顔と言葉を俺は一生忘れてないだろう。
俺たちが病院に着いたとき母親はどうしようもない状態だと言われた。
医者は最後に傍にいてあげて下さい。
と言い部屋を出た。
それから少しして母親は息をひきとった。
その後母親があの時間外にいた事を父から聞いた。
買い物に行くと言って出ていきその帰りに車に轢かれた事。
救急車の中でずっとごめんねと呟いていた事。
そして、現場のビニール袋の中にはアイスが一つだけ入っていた事。
その時俺のためにアイスを買いに行って事故にあったとわかった。
通夜と葬式の間中俺はずっと泣いた。
そして今でもこの時期になると自然に涙がでることがある。
母さんごめんな。
俺が最後に死ねなんて言わなかったらと。
今でも悔やみ続けている。