涙が流れない。
最後に涙を流したのは中学2年の時だ。
それ以来涙を流していない。
涙腺が強いと思っていた。
人より涙腺が強いから。
同じだけ悔しくても涙が流れない。
人より涙腺が強いから同じだけ悲しくても涙が流れない。
人より涙腺が強いから同じだけ感動しても涙が流れない。
ずっとそう思っていた。
だけど涙が流れない理由はそんなことじゃなかった。
人より悔しくないから涙が流れない。
人より悲しくないから涙が流れない。
人より感動しないから涙が流れない。
ただ単純にそういうことなんだろう。
人より真剣じゃないから悔しくない。
人より真剣じゃないから悲しくない。
人より真剣じゃないから感動しない。
きっと人生に真剣じゃないんだ。
思い返せばいつだって真剣じゃなかった。
何もかもが中途半端。
そんなだから何もかもが薄っぺらかった。
なんて薄っぺらい人生なんだろう。
なんて悲しい人生なんだろう。
なんてつまらない人生なんだろう。
なんて人生なんだ…。
だけどそんな風に思っても、
まだ涙は流れないんだ。
薄っぺらすぎて人生に嫌気がさすことすら無いんだ。
どうすれば人生を賭けられるようなそんなものに出会えるんだろうか。
人生を賭けられればいいのに。
そして人生に嫌気がさせばいいのに。
そして人生に光がさせばいいのに。
そして涙が流れたらどんなにいいことだろうか。
この詩を読んでどう思いますか?
レビューに何書いてもいいと思います。
『俺は強い!』
いいことじゃないですか。
ただ強いことと泣くことが
なんの関係があるんですか?
じゃあ泣く人は弱いんですか?
あなたより強くて泣いてる人は世界中にいます。
感動して流す涙
別れを惜しむ涙
悔し涙
怖くて流す涙
涙の理由が言えることは
とても素晴らしいことです
本気で
『強いから泣けない』
なんて思ってるんなら人間やり直した方がいいですよ。
少し言い過ぎましたがそのくらいムカつきました。
不快な思いをされた方本当にごめんなさい。
僕は芸人です。
あれは5年前くらいの事…
その頃の僕は家賃3万円のボロアパートに住み、
お金も全然なく毎日を生きるのに精一杯でした。
毎日の食費ですら僕にとってはとても大きな出費でしたので、
できるだけ我慢し空腹に耐えれなくなれば、
イスもテーブルもボロボロの近くのお店に1杯180円の
うどんを食べに行く…。
そんな生活でした。
そんな毎日の中で
(ここまでして芸人を目指す意味はあるのだろうか)
そんな事を思いながらいつものように
近くのうどん屋さんに入りうどんを注文しました。
その日、今まで話した事のない店のおばあちゃんが
僕に話しかけてきました。
『アンタ仕事は何をしてるんや?』
僕は見栄をはり、
『俺は芸人や』
と答えました。
するとおばあちゃんは
『芸人なんか儲かれへんからアンタお金もないやろ。
今日はお金はいらんからまた出世したら払ってくれたらいい』
と言って180円を受け取ってくれませんでした。
その日から僕はそんなおばあちゃんの
言葉に甘えて毎日のようにその店に行っては
180円のうどんを食べるようになりました。
そんな毎日が半年くらい続いたと思います。
それから何ヵ月かが過ぎ僕は新聞や雑誌やテレビに
出演するようになり毎日が忙しくなっていき
おばあちゃんにお礼も言わずに、
いつの間にかそのうどん屋さんにも足を運ぶ事が
なくなっていました。
週6本のレギュラー番組を持てるようになった中
半年ぶりに休みを取れた僕はお店のイスやテーブルを
買いかえれるくらいのお金を封筒に入れて
おばあちゃんのお店に行きました。
『毎日テレビ見てるで』
と言って僕の頭に手を置いたおばあちゃんは
あの頃より小さく痩せ細った声のように感じました。
『あんたアホやな…
あの時アタシは出世払いやって言うたやろ!』
と言うおばあちゃんに、
『だからあの時のお礼にこれでイスもテーブルも
買いかえて……』
と言ってまた封筒を渡そうとした僕に、
おばあちゃんは
『アンタなんかまだ出世しとれへんわ』
と……。
僕の気持ちも受け取らないままおばあちゃんは
今は天使になってしまいましたが
そんな優しさに涙をこらえながら
うどんを食べた事を今でも思い出します。
天使になった
おばあちゃん……
僕は今も芸人として頑張ってますよ!