泣ける話。感動する話。号泣集。 忍者ブログ

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泣ける話

2010/04/28 (Wed)

僕は小さい頃に両親に捨てられていろんな所を
転々として生きてきました。

小さい頃には「施設の子」とか
「いつも同じ服を着た乞食」
とかいろんな事を言われました。

たまに同級生の子と遊んでいて
『〇〇君の家に行こう!』
とかなっても、僕が遊びに行くとそこのお母さんが
『〇〇君と遊んではいけないって言ったでしょ!』
とそこの家の子供をしかっている声が聞こえ僕を汚い物を見るような目で
『〇〇は今日遊べないの…』
というようなことが日常茶飯事でした。

僕は弱い人間なのでそんな事が重なるうちに
独りでいることが一番傷つかず一番楽なのだと思いました。
けど僕にも言いたいことはいっぱいあった。
汚い服、同じ服を着ていても僕は僕は人の物盗ったり
傷つけたりはしていない。
両親はいないけど僕にはどうする事もできないんだよ!
僕だってお父さんお母さんが欲しいんだよ…。
僕はなるべく人と接しないように生きてきた。
自分の精神、心を守る為にそうせざるを得なかった。
独りで生きていく。
誰にも迷惑をかけずに…。

高校に進学した時だった。
朝学校に着くと机に
「死ね」「乞食」
「貧乏神」「親無し」
等あらゆる悪口が書かれていた。
僕は目の前が真っ暗になった。
僕が何かしたのか?
僕がなにか……
ただ立ち尽くすのみだった。

その時僕の目の前から机が無くなった。
クラスでも人気者のYが僕の机をかかえ上げていた。
僕は机で殴られるのかと思い目を閉じた。
『行くぞ!』とYがぶっきらぼうに言い廊下に出ていく。
僕は後に従った。
Yは技術室に行き紙ヤスリで僕の机の落書きを消し始めた。
Yは一言だけ『つまんない事に〝負けんなよ〟』
と言い黙々と紙ヤスリで落書きを消している。
『放課後もう一回ここでニス塗ろうぜ。そしたら元通りだ』
と言ってにっこり笑った。
Yを見て僕は泣いた。

Yは6月に結婚する。
おめでとう。
君が居なかったら今の僕は居ない。
恥ずかしくて面と向かって言えないけど幸せになってほしい。
そしてこれからも親友でいてほしい。

僕を救ってくれた君に
今までありがとう。

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泣ける話

2010/04/27 (Tue)

ニューヨークの郊外にその喫茶店はあった。
店の名前と【水曜定休日】とだけ書かれたぶっきらぼうな看板の奥にひっそりと佇む。
店のマスターは無口で頑固。
その店のジュークボックスにはマスターが大好きなイギリス出身で世界的に大ブレークした。
今はもう解散してしまったグループの曲しかない。

ある年のちょうど今くらいの季節。
その日は昼下がりに突然大雨が降りだした。
通りには濡れながら急ぎ足で行き交う人々その中の1人が店に入ってきた。
全身が濡れそぼり寒さでガタガタ震える。
その男はマスターが好きなバンドメンバーの1人だった。
おそらくその事に気付いたマスターは一瞬目を見張り動きを止める。
しかしすぐに手馴れた作業に戻り注文されたコーヒーと乾いたタオルを差し出す。
身体をふき、眼鏡をふきコーヒーを飲みながら店内を見回す男。
店の隅にあるジュークボックスに目を留めている。
自分がやっていたバンドの曲しか入っていない事に気付いた男は、
照れくさそうにコインを取り出し曲を演奏させる。
流れ出した曲を聴きながら男は自分たちが走り抜けてきた
青春時代を懐かしむように目を閉じ、ゆっくりゆっくりコーヒーを飲んだ。

何曲か聴きコーヒーを飲み終えて店を出ようとする男にマスターは黙って傘を差し出した。
外はまだ雨が降り続いている。
男は受け取り礼とともに笑いながら、
『今度雨が降ったら返しにくるよ』
と言った。

しかし男が傘を返しに来ることはなかった。
それから数週間後男は自宅前で凶弾に倒れたのだ。
それから20数年が経った今でもその喫茶店は同じように看板の奥に佇んでいる。
年老いたが相変わらず無口なマスタージュークボックスも同じバンドの曲ばかり。

店の中は何一つ変わっていないが
看板に書かれてる文字はいつからか変えられていた 。

【水曜定休日ただし、雨の日は営業いたします】

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