他の会社の弟子だった俺。
そんな俺を可愛がり大人にしてくれたおっさんってあだ名の一人親方。
現場ではいつも俺からタバコをもらってたね。
丁度、去年の今頃、病院のベッドから最後のサクラを見たね。
そんなおっさんは肺がんだった。
おっさんが死んだみたいって連絡来た時は嘘だと思ったけど現場から帰って来て家に電話したら知らないおばさんが電話に出た。
６０過ぎの一人暮らしなのに知らない人が電話に出ただけで泣いてしまった。
その日の夜に世話になった職人達と家を訪ねた。
泣いてどおしようもない俺を回りのおばさん達は「あんたかぁ～聞いてるよ。あんたには世話になったねぇ」って。
おっさんは俺を自分の子供の様に親戚達に紹介してたみたいだった。
通や、葬式までは泣いた俺、火葬の時は泣けなかった。
納骨の時はおっさんの子供も扱いしてもらったよ。
後少しで一周忌、七夕の次の日は皆で集まるからね。
あれから俺は成長してますか？
おっさんの後を継いでしてる会社とも仲良くやってるよ。
たまに遊びに来てるの俺は知ってるよ。
俺の作業服にあんなに綺麗な白髪が付いてるからね。
今年からは笑って遊びに来てね。

[0回]

君とは出会ってから半年という短い時間の事だった


私たちは新入社員

つらいことも多い中
助けあって

私たちはとても強い絆で結ばれてたのかな


辛いよね、辛かったよね

私は君を支えながら支えられていたよ


誕生日はみんなで祝おうと決めた。

会社にうざがられるくらい仲が良かったよね


君は営業部だから

私とは接点が多かった


辛そうだったね

わかっていたよ

「死にたい」って口にされるのが私は辛かった

君が会社を休んだ時は、鬱の辛さをしってるから


ご飯に誘い出したね


鬱だと出てくるのすら嫌だろうけど

君は嬉しそうだった


その２日後だったよね


私は涙も出なかった


君の遺体を同期で囲み


笑って送りだそうってみんなで笑いながら１時間過ごした


君は今でも笑い出しそうで

久しぶりに同期が集まった時だった

私、
君の鬱に気付いてた


まさか死ぬなんて思わなかったけど
出来ることはしたつもりなのが全ての救いだった


でも
自分の無力さを知った


どれだけ泣いたか知らないでしょう？
どれだけ自分を責めたか知らないでしょう？


君の第一発見者は同期だったんだよ

私の誕生日、まだ祝ってもらってないよ


テニスする約束も果たしてないよ


嘘だよね？

寝たふりだよね？


お願いだから

嘘だって

笑って

[0回]