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泣ける話

2012/09/17 (Mon)

あるクリスマスの日の出来事です。

うちには6才の息子がいます。
我が家では、クリスマスイヴの夜、子供たちが寝静まった枕もとにおもちゃをそっと置いて、翌日の朝、子供たちが目を覚ました時に、おもちゃを見つけて、
「わ〜、サンタがきた〜!」
と、喜び、そして、そのおもちゃで遊ぶ、ということを年中行事にしていました。

その年もまた、同じように、子供たちの枕もとにおもちゃを置きました。
寝静まってから・・・。

次の朝、子供たちが起きた時に、「わ〜、サンタがきた〜!」 といつもと同じ光景が起こると思っていました。

そう信じていました・・・。


買ったおもちゃは、子供用のコンピューターでした。
そのコンピューターの電源を入れた時に、事件が起こりました。

電源をいくら入れてもつかないんです。
壊れていたんです。

お昼になるのを待って、買ったおもちゃ屋さんに電話を入れました。
責任者の方が出てこられて、こんな対応をされました。

「あー、故障ですか。それは申し訳ないですねー。
でもね、それは作ったメーカー側の責任なんです。
メーカーのお客様相談室に電話をしてください。
電話番号を言いますんでー」と。

少し「ん?」と思いながらも、おもちゃメーカーに、妻が電話をしたんです。

クリスマスの日に、おもちゃメーカーに電話してみるとわかりますが、繋がらないんですよね。

1時間に4回くらいの割合で、夕方くらいまでかけたんです。
タイミングも悪かったとも思うんですが・・・。

けれども、その日はとうとう繋がらなかったんです。

お昼をすぎた頃、息子は泣き始めました。
新しいおもちゃで遊べない。。。

泣く気持ちもわかるんだけど、その泣く息子を見て、妻は
「あんた、ちょっとくらい我慢しなさいよ」 と・・・。

これはサンタさんからのプレゼントだから、僕も
「俺らが我慢しろよってのもおかしいだろ!」
と取り乱す一幕もあったんですが・・・。


しびれをきらして、夕方4時を回ったころに、買ったおもちゃ屋さんにもう一度、妻が電話をしました。
同じ人が出てきて、同じ対応をされました。

そこで、僕はちょっと腹が立つのをこらえて、電話を変わりました。
そしてこう言いました。

「クリスマスの日、お忙しいのに、故障の電話なんかして申し訳ありません。
もう修理は結構です。もういいんです。
電話を変わったのは、一つだけ、お伝えしたい事があったんです」

「はあ?」
と相手の人は、警戒心を強められました。

何、言うんだろうな、電話を変わってまで・・・と思ったでしょうね。
僕はかまわず、こう続けました。

「僕が、そちらのお店で買ったもの、それはなんだか解りますか?
僕が買ったもの、それは・・・
サンタクロースは、子供たちの心の中にいますよね。
子供たちは、イヴの夜、サンタに会おうと、夜更かしをするんです。

一時間経っても二時間経っても現れる様子はないんです。
そして、睡魔には勝てず、とうとう寝てしまいます。

次の朝には、枕もとにはおもちゃが置かれている。

そのおもちゃを見て、
「あー、サンタは本当にいたんだー」
そう思って、心踊らされて、遊ぶ。

その夢と子供たちの感動に、僕はお金を払ったんです。

僕がそちらで買ったもの、それはおもちゃでは無いんですよ。
その夢と感動です。

だから、クリスマスに、このおもちゃで遊べる事が、どれ程大切かという事を、それだけは理解していただきたいと思うんです。

また、余裕がある時に修理の方をお願いします」

そう言いました。

そして電話を切ろうとした時です。
その人は、しばらく黙っていました。
その後こう言われました。

「お客様、時間をいただけますか?」

「お客様がお買いになった子供用のコンピューター。
超人気商品で、この店には在庫はございません」

それを聞いて、調べてくれたんだなぁと思って、胸が「ぐっ」となりました。

「でも支店を探してみれば、一つくらいあるかも知れません。
もしあれば、今日中に届けさせていただきたいと思います。
ちょっと時間をいただけますか?」

「えっ、本当ですか?本当にあれば子供は凄く喜びます。お願いします」

僕は、そう言って電話を切りました。


電話を切ったあと僕は、「頼む。あってくれよ!」と期待に胸が張り裂けんばかりでした。
そして、ピンポンが鳴るのを心待ちにして、待ちました。

しかし、夜の8時になっても、誰も来る気配はありません。
子供たちは、すっかり寝支度ができて、布団の中に入りました。

「間に合わなかったな。きっと無かったんだな。今年のクリスマスはガッカリだったな。
でも、こんな時もあるよな・・・」

と諦めていた、その時です。9時頃でした。
「ピンポ〜ン!」 とベルが鳴りました。

僕は「よし、来た!」っと、小さくガッツポーズをしながらも、何食わぬ顔で子供たちを部屋に残し、玄関に向かいました。

ドアを開けたら、その人がコンピューターを抱えて立っていました。
しかも、サンタクロースの服を着て・・・。

僕は驚きました。

「えっ、サンタ?!」 と思わず口に出ました。

その人は言いました。

「サンタクロースです。お子さんをお呼び下さい」

僕は、漠然とスーツ姿の人を、想像していました。
スーツ姿で、代わりのコンピューターを持ってくる、そう思っていました。

でも、僕の前に立っていたのはサンタでした。

僕は興奮して、子供たちを呼びに行きました。

「早く降りておいで」

子供たちは、何事かと、どたどた階段を下りてきました。
そして、その人の姿を見た瞬間

「サンター!サンタだー!!」

驚きながらも、次の瞬間にはピョンピョン跳ねていました。
サンタはしゃがんで、子供たちの目線に合わせてこう言いました。

「ごめんね。サンタのおじさん忙しくてね。
壊れたおもちゃを持ってきてしまったんだ。
ごめんね。はい、これはちゃんと動くからね。
お利口にしていたら、来年もまた来るからね」

そう言って、頭を撫でてくれました。

僕は、子供たちを部屋に戻して、その人にお礼を言いました。

「ありがとうございました。本当に子供の夢をつないでくれました。
サンタにまでなっていただいて、本当にありがとうございました」

その人はこう言いました。
 
「私たちが売っている物はおもちゃではないんです。
夢と感動なんです。
忙しさにかまけて、大切な物を忘れていました。
それを教えてくれて、ありがとうございます」 と。

「とんでもないです。こちらこそ本当にありがとうございます。
こんなことをしていただけるなんて、これから僕は一生あなたの店からおもちゃを買います。
いい社員さんがいる会社ですね」

と僕はそう言いました。

その人は泣かれました。
僕も思わず泣いてしまいました。

その夜はとても不思議な気分で眠れませんでした。
眠らなくてもいい、そう思いました。

「なぜ、あの人はサンタの服できたんだろう?」
そう考えるとずーっと考えていました。

そして、いきついた言葉、それは「感動」でした

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